【新日本プロレス】NEVER無差別級のベルトが秘めている外交カードとしての可能性

【新日本プロレス】NEVER無差別級のベルトが秘めている外交カードとしての可能性

新日本プロレスの「Road to レスリングどんたく」恒例の広島大会が今年も開催された。

メインはIWGPヘビー級、IWGPジュニアヘビー級の前哨戦となるスペシャルタッグマッチ。

タイトルマッチであるはずのNEVER無差別級選手権試合は、残念ながらセミファイナルだった。

後藤の昇天改が飛び出すなど、両者にとって今年のベストバウトとも呼べる試合だったが……

NEVER無差別級王座はメインイベントには相応しくないタイトルなのか?

使い方次第ではIWGPともインターコンチとも違う、魅力的なタイトルになるはずなのだ。

 

NEVER無差別級の初代王者はだれだったか?

他のベルトと同じように、NEVER無差別級王座も最初は初代王者決定トーナメントから歴史がスタートしている。

NEVER無差別級王座の初代王者がだれかご存知だろうか?

プロレスリング・ゼロワン(PROWRESTLING ZERO1)所属、当時CHAOSのメンバーでもあった田中将斗だ。

初代王者決定トーナメントで争った16選手のメンツもすごい。

髙橋広夢、旭志織、YOSHI-HASHI、関根龍一、キャプテン・ニュージャパン、滝澤大志、田口隆祐、ヒロ・トウナイ、石井智宏、佐々木大輔、BUSHI、真霜拳號、カール・アンダーソン、高橋裕二郎、KUSHIDA、田中将斗

ヘビー級・ジュニアヘビー級入り乱れ、さらには新日本プロレス、全日本プロレス(レンタル移籍)、DDTプロレスリング、KAIENTAI DOJO、ゼロワンと今では考えられないメンツが揃っている。

そもそもが若手主体の単発興行NEVERから派生したトーナメントなので、ヤングライオンもベテラン選手も関係ない。

NEVER無差別級王座はいま思えば、夢の興行から生まれたベルトだったのだ。

 

”夢のベルト”は歴代王者によって”バチバチのベルト”へ

若手もベテランも階級も関係なく、団体の垣根さえも超えておこなわれた初代王者決定トーナメントにより生まれたNEVER無差別級王座。

そのベルトは歴代の王者によって”夢のベルト”からその存在意義を変えていく。

初代の田中将斗、二代目の内藤哲也、石井智宏、高橋裕二郎あたりまでは、CHAOSの内紛に端を発している。

田中将斗 vs 内藤哲也、内藤哲也 vs 石井智宏、石井智宏 vs 高橋裕二郎は、CHAOSを追放された者と追放した者の構図だ。

つまり、当時のCHAOSの内紛劇の一部にNEVERのベルトが組み込まれた形になっている。

第5代王者に石井智宏が輝いたあたりから、NEVERのベルトはCHAOSの内紛劇から解き放たれるが、その存在意義が新たに塗り替えられる。

今度はかつての、あるいは今で言うと海外のファンが好む、新日本プロレスらしい”バチバチの”ファイターが腰に巻くベルトになっていった。

第5代以降のおもな王者を見てみると、石井智宏、真壁刀義、柴田勝頼、鈴木みのる、そして後藤洋央紀。

だれもが認めるストロングスタイル、バチバチのファイトが魅力の選手ばかり。

しかし、IWGPヘビー級王座やIWGPインターコンチネンタル王座と明確に線引できているとは言い難く、まだまだ独自の”色”が付いていないのが現状だ。

 

NEVER無差別級王座らしさとは

おそらく2人の名前に絞られるだろう。

石井智宏と柴田勝頼。

とりわけ柴田は、防衛戦の相手を並べてみると実にバラエティー豊かである。

石井智宏、小島聡、天山広吉、永田裕志、本間朋晃、ボビー・フィッシュ、カイル・オライリー、後藤洋央紀。

柴田自身に他の選手にはない独自の魅力があったことは言うまでもないが、バラエティー豊かな対戦相手がこの頃のNEVER無差別級戦線を熱くしていたように思う。

他にもここ1年くらいでNEVER無差別級王座に挑戦した外国人選手では、ジュース・ロビンソン、パニッシャー・マルティネス、ザック・セイバーJr.、マイケル・エルガン、ビアシティ・ブルーザーがいる。

対戦相手を読み解けば、IWGPヘビー級王座やIWGPインターコンチネンタル王座とは異なる「NEVER無差別級王座らしさ」が見えてくると思うのだ。

 

外交カードとしてのNEVER無差別級王座

ネット上に確かな記録は残っていないが、かつてのIWGPインターコンチネンタル王座は、「アメリカを始めとする海外マットにおいての、IWGPヘビー級王座への登龍門」というのが設立に際しての位置付けであった。

それが一時期は中邑真輔のベルトとして君臨し、今では内藤哲也がたびたび口にしているように存在意義がわからないベルトになってしまった。

NEVER無差別級王座も同様に、CHAOSのストーリーに組み込まれたベルト、バチバチのファイターのベルトと存在意義がブレまくって現在に至る。

しかし、NEVER”無差別”級王座だからこそ、階級も、団体の垣根も、海さえも超えた「外交カード」にできる可能性は十分に残っている。

いっそ若手の単発興行NEVERの頃のコンセプトに戻して、ライオンズゲートのメインイベントを飾るベルトにしたって良いと思うのだ。

永田裕志が戴冠し、KAIENTAI DOJOの選手や新日本プロレス以外の選手と争ってはどうか。

あるいはジュニアヘビー級のKUSHIDAが戴冠して、ROHやRevPROなど海外のマットで暴れまくっても面白いと思う。

現王者である後藤も「だれが挑戦してきても良い」という姿勢なのだから、日本に限らずあらゆるリングでカードを組んでみたらいいんじゃないでしょうか、新日本プロレスさん?

 

アイキャッチ画像の出典:新日本プロレス公式サイト